フィナステリドの副作用|プロペシア錠添付文書の頻度

プロペシア錠の添付文書(2023年8月改訂・第4版)の「11. 副作用」で、「1〜5%未満」の区分に載っているのはリビドー減退です。

勃起機能不全・射精障害・精液量減少は「1%未満」、重大な副作用として肝機能障害(頻度不明)が載っています。

日本皮膚科学会の診療ガイドライン(2017年版)は、3,927名を対象としたシステマティック・レビューで性機能障害の相対危険度が1.39(95%信頼区間 0.99〜1.95)であり、フィナステリド投与群がプラセボ群より「上昇する傾向がある」としています。

このページは、添付文書とガイドラインに書かれている内容を出典ごとに分けて並べたものです(2026年10月21日確認)。

この記事は情報の整理であり、医師の診断や指導に代わるものではありません。服用中の症状については処方元の医師にご相談ください。

プロペシア錠の効能又は効果

プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg(製造販売元 オルガノン株式会社)の添付文書の「4. 効能又は効果」は次のとおりです。

男性における男性型脱毛症の進行遅延

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」のフィナステリド内服の推奨度は次のとおりです。

対象 推奨度 推奨文
男性型脱毛症 A 行うよう強く勧める
女性型脱毛症 D 行うべきではない

プロペシア錠の添付文書の副作用の表

「11.2 その他の副作用」の頻度区分は次のとおりです。

頻度 副作用
1〜5%未満 リビドー減退(注1)
1%未満 勃起機能不全(注1)、射精障害(注1)、精液量減少
頻度不明 過敏症:そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面腫脹を含む)/生殖器:睾丸痛、血精液症、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)(注2)/肝臓:AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇/その他:乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい

表の注は次のとおりです。

  • 注1:「市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある。」
  • 注2:「本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある。」

「11.1 重大な副作用」には「肝機能障害(頻度不明)」が載っています。ガイドラインにも「重要な副作用として,頻度は明らかではないが,まれに肝機能障害があらわれることがある」との記載があります。

肝臓についての記載

肝臓に関する添付文書の記載は次の3か所です。

項目 記載
9.3 肝機能障害患者 「本剤は主に肝臓で代謝される。肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。」
11.1 重大な副作用 肝機能障害(頻度不明)
11.2 その他の副作用 肝臓:AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇(頻度不明)

「重要な基本的注意」の自殺念慮の記載

添付文書の「8. 重要な基本的注意」の8.2は次のとおりです。

本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されている。患者の状態を十分に観察するとともに、自殺念慮又は自殺企図があらわれた場合には本剤の服用を中止し、速やかに医師等に連絡するよう患者に指導すること。

「9.1.1」には、うつ病、うつ状態又はその既往歴、自殺念慮又は自殺企図の既往歴を有する患者について、同じく因果関係は明らかではないが自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されているとの記載があります。

用法及び用量

「6. 用法及び用量」は次のとおりです。

男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限とする。

「7. 用法及び用量に関連する注意」には「増量による効果の増強は、確認されていない」と記載されています。

食事との関係や飲み忘れについての記載はプロペシア錠(フィナステリド)の飲むタイミング|食事・飲み忘れの記載にまとめています。

「17.1.1 国内第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検比較試験」(24歳から50歳の男性型脱毛症患者414例・48週間)では、投与前と比べ48週で改善と判定されたのは0.2mg投与群で54.2%(71/131例)、1mg投与群で58.3%(77/132例)、プラセボ群で5.9%(8/135例)でした。副作用(臨床検査値異常変動を含む)の発現割合は0.2mg投与群で1.5%(2/137例)、1mg投与群で6.5%(9/139例)、プラセボ群で2.2%(3/138例)でした。

性機能に関するガイドラインの記載

ガイドラインに載っている試験の記載です。

出典(ガイドライン2017年版の記載) 対象・期間 結果
12件のランダム化比較試験を解析したシステマティック・レビュー 3,927名・観察期間12〜24か月以上 性機能障害の相対危険度1.39(95%信頼区間 0.99〜1.95)。ガイドラインは「上昇する傾向がある」と記載
414名の日本人男性に対する48週のランダム化比較試験に続く非ランダム化比較試験 374名・2年(1mg/日) 0.2mg/日から1mg/日、プラセボから1mg/日に移行した患者で性機能に関する副作用はなし

PSA値への影響

プロペシア錠の添付文書の「12. 臨床検査結果に及ぼす影響」は次のとおりです。

国内で実施した24歳から50歳の男性型脱毛症患者において、血清前立腺特異抗原(PSA)の濃度が約40%低下した。海外臨床試験において、高年齢層の前立腺肥大症患者へのフィナステリド投与により血清PSA濃度が約50%低下した。したがって、本剤投与中の男性型脱毛症患者に対し前立腺癌診断の目的で血清PSA濃度を測定する場合は、2倍した値を目安として評価すること。

ガイドラインは、355名を対象とした48週間のランダム化比較試験(フィナステリド1mg/日)で血清PSA濃度が約50%低下したとし、前立腺癌診断の目的で測定する場合は2倍した値を目安として評価すべきとしています。

禁忌と錠剤の取扱い

添付文書の「2. 禁忌」は次の2つです。

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性

「8.1」には、患者に次の事項を説明することとして、次の記載があります。

  • 本剤を妊婦に投与すると、本剤の薬理作用(DHT低下作用)により、男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがある。
  • 本剤を分割・粉砕しないこと。
  • 本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性は取扱わないこと。本剤はコーティングされているので、割れたり砕けたりしない限り、通常の取扱いにおいて有効成分に接触することはない。

女性・20歳未満についての記載

  • 添付文書「5.3」:「女性に対する適応はない。海外で実施した閉経後女性の男性型脱毛症を対象とした12ヵ月間のプラセボ対照二重盲検比較試験(n = 137)において、フィナステリドの有効性は認められなかった」
  • ガイドライン:137名の女性を対象とした観察期間1年のランダム化比較試験で、1cm²あたりの硬毛数はフィナステリド投与群で-8.7、プラセボ群で-6.6といずれも減少し、両群間に有意差はなかった
  • 添付文書「5.2」:「20歳未満での安全性及び有効性は確立されていない」。「9.7」:「小児等に対する適応はない。小児等を対象とした臨床試験は実施していない」
  • ガイドライン:海外の臨床試験は18歳以上、国内の臨床試験は20歳以上の男性を対象に行われたため、わが国では20歳未満に対する安全性は確立していない

献血

日本赤十字社(福岡県赤十字血液センター)の「服薬と献血について」には、次の記載があります。

薬 記載
AGA治療薬(フィナステリド、プロペシア、プロスカー等) 服薬中止後1カ月献血不可
AGA治療薬(デュタステリド、ザガーロ、アダボート等) 服薬中止後6カ月献血不可

日本赤十字社(福岡県赤十字血液センター)の「服薬と献血について」は、一覧の前に「下記に主なお薬を示していますが、献血にご協力いただけるか否かについては、当日の健診医が最終的に判断します。」と記載しています。

献血についての記載はAGA治療薬と献血|フィナステリド1カ月・デュタステリド6カ月の記載にもまとめています。

本記事の数字の範囲

この記事の副作用の頻度・禁忌・PSAの数字は、プロペシア錠の添付文書とガイドライン2017年版の記載です。

プロペシア錠に絞った記載はプロペシア錠の副作用に、入手方法ごとの制度上の違いはAGA治療薬の入手方法に整理しています。デュタステリド側はデュタステリドの副作用にあります。

出典

  • プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg 添付文書(2023年8月改訂・第4版、オルガノン株式会社。PMDA)
  • 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)
  • 服薬と献血について(日本赤十字社 福岡県赤十字血液センター)
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