薄毛治療|日本皮膚科学会ガイドラインの推奨度と添付文書の記載

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」は、治療法14項目に推奨度を付けています。推奨度A(行うよう強く勧める)が付いているのは、CQ1(フィナステリドの内服・男性型脱毛症)、CQ2(デュタステリドの内服・男性型脱毛症)、CQ3(ミノキシジルの外用)です。

推奨度D(行うべきではない)が付いているのは、CQ1・CQ2の女性型脱毛症、CQ4の人工毛植毛術、CQ14(ミノキシジルの内服)です。

このページでは、ガイドラインの推奨度と、プロペシア錠・ザガーロカプセル・リアップX5プラスネオの添付文書の記載を整理します(2026年10月21日確認)。

この記事は情報の整理であり、医師の診断や指導に代わるものではありません。

リアップX5プラスネオの添付文書にある「使用しないでください」の記載

リアップX5プラスネオの添付文書は、「次の人は使用しないでください」として次を挙げています。

  • 壮年性脱毛症以外の脱毛症(例えば,円形脱毛症,甲状腺疾患による脱毛等)の人,あるいは原因のわからない脱毛症の人(「本剤は壮年性脱毛症でのみ有効です。」)
  • 脱毛が急激であったり,髪が斑状に抜けている人(「壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高い。」)

男性型脱毛症の定義はAGAとは|ガイドライン2017年版の定義・頻度・推奨度にまとめています。

ガイドラインの推奨度(抜粋)

全14項目はAGAとは|ガイドライン2017年版の定義・頻度・推奨度に掲載しています。ここではA・B・Dが付いたものを挙げます。

治療 推奨度
フィナステリドの内服 A(男性型脱毛症)/D(女性型脱毛症)
デュタステリドの内服 A(男性型脱毛症)/D(女性型脱毛症)
ミノキシジルの外用 A
自毛植毛術 B(男性型脱毛症)/C1(女性型脱毛症)
LEDおよび低出力レーザー照射 B
アデノシンの外用 B(男性型脱毛症)/C1(女性型脱毛症)
人工毛植毛術 D
ミノキシジルの内服 D

ガイドラインは、推奨度Dを「行うべきではない(無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある)」と定義しています。

ガイドラインには、推奨度の分類に続けて次の記載があります。

ただし,本文中の推奨度が必ずしも上記の判断基準に一致しないものがある.その理由は,この分野では国際的にもエビデンスが不足している状況,日本の歴史的背景や特殊事情,さらに診療ガイドラインの実用性も考慮して,委員会のコンセンサスに基づき推奨度を決定した項目があるからである.

推奨度Aの3つの添付文書の記載

リアップX5プラスネオ(ミノキシジル5%外用) プロペシア錠(フィナステリド) ザガーロカプセル(デュタステリド)
区分(添付文書) 第1類医薬品 劇薬・処方箋医薬品 劇薬・処方箋医薬品
用法・用量(添付文書) 成人男性(20歳以上)が、1日2回、1回1mLを脱毛している頭皮に塗布 男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与。必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限 男性成人には、通常、デュタステリドとして0.1mgを1日1回経口投与。必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与
効果の判定(添付文書) 効果がわかるようになるまで少なくとも4ヵ月間、毎日使用 3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要 投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要
改善がない場合(添付文書) 6ヵ月間使用して,次のいずれにおいても改善が認められない場合は,使用を中止し,この説明書を持って医師又は薬剤師に相談してください(脱毛状態の程度,生毛・軟毛の発生,硬毛の発生,抜け毛の程度) 6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止 6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の改善がみられない場合には投薬を中止
女性(添付文書) 「使用しないでください」に「女性。」 禁忌: 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性 禁忌: 女性

それぞれの副作用はミノキシジルの副作用、フィナステリドの副作用、デュタステリドの副作用に、成分の違いはミノキシジルとフィナステリドの違いにまとめています。

治療薬の入手経路と救済制度についての記載

医薬品副作用被害救済制度について、厚生労働省は「個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象となりません。」と記載しています。入手方法ごとの公的機関の記載はAGA治療薬の入手方法にまとめています。

費用についての記載

レバクリの公式サイトには、「AGAの治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。」という記載があります。各クリニックの公開料金はAGA治療の費用にまとめています。

継続・中止についての記載

リアップX5プラスネオの添付文書には、次の記載があります。

効果を維持するには継続して使用することが必要で,使用を中止すると徐々に元に戻ります。本剤は壮年性脱毛症の原因を取り除くものではありません。

毛髪が成長する程度には個人差があり,本剤は誰にでも効果があるわけではありません。

プロペシア錠の添付文書には、「効果を持続させるためには継続的に服用すること。なお、増量による効果の増強は、確認されていない。」という記載があります。

ガイドラインはフィナステリドについて、「少なくとも 6 カ月程度は内服を継続し効果を確認すべきである.なお,内服を中止すると効果は消失する.」と記載しています。

内服薬の効果の数値はフィナステリドの効果とデュタステリドの効果にまとめています。

女性についての記載

  • ガイドライン: フィナステリドの内服、デュタステリドの内服は、女性型脱毛症では推奨度D
  • プロペシア錠の添付文書: 「女性に対する適応はない。」
  • ザガーロカプセルの添付文書: 「女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。」
  • リアップX5プラスネオの添付文書: 「女性の方はミノキシジルを1%配合したリアップシリーズの女性用製品をご使用ください。」

詳しくはミノキシジルは女性が使える?外用1%と5%・添付文書の記載にまとめています。

出典

  • 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)
  • プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg 添付文書(2023年8月改訂・第4版、PMDA)
  • ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 添付文書(2025年8月改訂・第2版、PMDA)
  • リアップX5プラスネオ 添付文書(PMDA 一般用医薬品)
  • 医薬品等の個人輸入について(厚生労働省)
  • レバクリ 男性AGAページ https://levcli.jp/male-aga/
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