ミノキシジルは女性が使える?外用1%と5%・添付文書の記載

日本皮膚科学会のガイドライン(2017年版)は、ミノキシジル外用について「男性型脱毛症:5%ミノキシジル,女性型脱毛症:1%ミノキシジル」と記載しています。

男性用の5%製品(リアップX5プラスネオ、スカルプD メディカルミノキ5 プレミアム)の添付文書は、使用しない人に「女性」を挙げています。

このページでは、リアップリジェンヌの添付文書(PMDA掲載)と日本皮膚科学会のガイドラインの記載を整理します(2026年10月21日確認)。

この記事は情報の整理であり、医師の診断や指導に代わるものではありません。使用中の症状については医師・薬剤師にご相談ください。

ガイドラインの推奨と、ブランドサイトの記載

ガイドライン(2017年版)のCQ3「ミノキシジル外用は有用か?」の推奨度はAで、推奨文は「ミノキシジル外用を行うよう強く勧める(男性型脱毛症:5%ミノキシジル,女性型脱毛症:1%ミノキシジル).」です。

大正製薬のリアップのブランドサイトには、次の記載があります。

2024年9月時点ミノキシジルを配合した男性用発毛剤には濃度が1%のものと5%のものがあり、女性用発毛剤はミノキシジル1%のものしかありません。

同じサイトの「女性用発毛剤」には、リアップリジェンヌプラスとリアップリジェンヌ<エコ包装品>(通販限定)が掲載されています。

リアップリジェンヌの添付文書の基本情報は次のとおりです。

項目 添付文書の記載
製造販売会社 大正製薬(株)
リスク区分 第1類医薬品
剤形 液剤
効能・効果 壮年性脱毛症における発毛,育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防。
用法・用量 成人女性(20歳以上)が,1日2回,1回1mLを脱毛している頭皮に塗布
成分分量(100mL中) ミノキシジル1.0g、パントテニールエチルエーテル1.0g、トコフェロール酢酸エステル0.08g、l-メントール0.3g

男性用5%製品の添付文書にある「女性」の記載

リアップX5プラスネオの添付文書の「してはいけないこと」の1は、次のとおりです。

(2)女性。
本剤は日本人女性における安全性が確認されていないため,女性の方はミノキシジルを1%配合したリアップシリーズの女性用製品をご使用ください。

スカルプD メディカルミノキ5 プレミアム(第1類医薬品、販売会社はアンファー(株))の添付文書では、「してはいけないこと」の1に「女性。[本剤は日本人女性における安全性が確認されていません]」があり、用法・用量にも「女性は使用しないでください。」という記載があります。

ガイドラインが引用している、女性での2%と5%の比較

ガイドラインは、2%ミノキシジルと5%ミノキシジルを用いた3件のランダム化比較試験を解析した、631名の女性被験者・観察期間26〜52週のシステマティック・レビューについて、次のように記載しています。

  • 2%ミノキシジル群では5%ミノキシジル群に比べ、脱毛部1cm²内の総毛髪数が平均で2.12本少なかった(95%信頼区間 5.47〜1.23)が、両者の間に有意差はなかった
  • 有害事象についても、4件、計1,006名のランダム化比較試験を解析した結果、相対危険度1.02(95%信頼区間0.91〜1.20)で両者の間に有意差はなかった
  • 「毛髪数の増加,および有害事象の解析のエビデンスの質は低く,さらなる検討が必要である」

リアップリジェンヌの添付文書の「してはいけないこと」

リアップリジェンヌの添付文書の「してはいけないこと」の1「次の人は使用しないでください」は10項目です。リアップX5プラスネオの添付文書の同じ項目は5項目です。

# 使用しない人 添付文書に書かれている理由 リアップX5プラスネオの添付文書に同じ項目
1 本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人 記載なし あり
2 未成年者(20歳未満) 国内での使用経験がありません。 あり
3 妊婦又は妊娠していると思われる人,並びに授乳中の人 妊娠中の使用については,安全性が十分確認されていません。また,ミノキシジルは母乳中に移行します。 なし
4 妊娠,出産に伴い脱毛している人 壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高い。 なし
5 避妊用ピルの使用をやめたことにより脱毛している人 壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高い。 なし
6 壮年性脱毛症以外の脱毛症(例えば,甲状腺疾患,急激なダイエット,円形脱毛症等)の人,あるいは原因のわからない脱毛症の人 本剤は壮年性脱毛症でのみ有効です。 あり(例示は「円形脱毛症,甲状腺疾患による脱毛等」)
7 頭頂部だけでなく,側頭部や後頭部も含めた頭部全体が脱毛している人 男性に比べ女性に多く見られる甲状腺疾患による脱毛等,壮年性脱毛症以外の脱毛症であったり,脱毛が他の原因によるものである可能性があります。 なし
8 脱毛が急激であったり,髪が斑状に抜けている人 壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高い。 あり
9 頭皮から強く引っ張るような髪型によって脱毛している人 壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高い。 なし
10 男性 男性の方はリアップシリーズの男性用製品をご使用ください。 (2)に「女性」

使用しない部位は、リアップX5プラスネオと同じく次の2つが記載されています。

  • 本剤は頭皮にのみ使用し,内服しないでください。理由は「血圧が下がる等のおそれがあります。」
  • きず,湿疹あるいは炎症(発赤)等がある頭皮。理由は「きず等を悪化させることがあります。」

他の育毛剤及び外用剤(軟膏,液剤等)の頭皮への使用をさけること、これらを使用する場合は本剤の使用を中止することも記載されています。理由は「これらの薬剤は本剤の吸収に影響を及ぼす可能性があります。」です。

副作用の可能性があるとされる症状

リアップリジェンヌの添付文書の「相談すること」の2は、使用後に次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談するよう記載しています。

関係部位 症状
皮膚 頭皮の発疹・発赤*,かゆみ,かぶれ,ふけ,使用部位の熱感等
精神神経系 頭痛,気が遠くなる,めまい
循環器 胸の痛み,心拍が速くなる
代謝系 原因のわからない急激な体重増加,手足のむくみ

*:頭皮以外にあらわれることもあります。

「相談すること」の1には、使用前に医師又は薬剤師に相談する人として、高血圧の人・低血圧の人、心臓又は腎臓に障害のある人、むくみのある人、高齢者(65歳以上)などが挙げられています。

ガイドラインが引用している女性対象の試験

ガイドラインは、ミノキシジル外用の有害事象として「男女を通して瘙痒,紅斑,落屑,毛包炎,接触皮膚炎,顔面の多毛などが報告されている」と記載しています。女性を対象にした試験として、次の2件を引用しています。

試験 被験者 観察期間 皮膚症状の出現率
2%ミノキシジル(1日2回)と5%ミノキシジル(1日2回) 女性381名 48週まで 5%群14%、2%群6%、プラセボ群4%
2%ミノキシジル(1日2回)と5%ミノキシジル(1日1回) 女性113名 24週まで 5%群の方が2%群より有意に(p=0.046)低かった

ガイドラインはこの2件について「そのため,両者の有害事象については,まだ見解が一致していない」と記載しています。

また、1%、2%、5%のミノキシジルを用いた8件のランダム化比較試験を解析した1,242名の女性被験者(観察期間24〜32週)のシステマティック・レビューのうち、有害事象は4件・計725名の解析で、相対危険度は1%群1.12(95%信頼区間0.61〜2.06)、2%群1.24(0.82〜1.87)、5%群2.05(0.96〜4.37)だったと記載されています。

接触皮膚炎については、男性393名の2%と5%の比較試験で、5%ミノキシジルで接触皮膚炎症状を呈した10名のうちパッチテストまで施行したのは3名のみで、うち2名は溶媒であるプロピレングリコールにも陽性を示した、とガイドラインは記載しています。結論として「ミノキシジル外用による有害事象は必ずしもミノキシジルだけの作用によるとは言えない」としています。

女性型脱毛症における有害事象の発現頻度(相対危険度)の整理はミノキシジルの副作用にあります。

フィナステリド・デュタステリドについての記載

ガイドラインの推奨度

薬 男性型脱毛症 女性型脱毛症
フィナステリド内服(CQ1) A(行うよう強く勧める) D(行うべきではない)
デュタステリド内服(CQ2) A(行うよう強く勧める) D(行うべきではない)

フィナステリドについて、ガイドラインは、フィナステリド(1mg/日)を用いた137名の女性被験者を対象とした観察期間1年のランダム化比較試験で、1cm²あたりの硬毛数がフィナステリド投与群で−8.7、プラセボ群で−6.6といずれも減少し、両群の間で有意差はなかったと記載しています。

デュタステリドについて、ガイドラインには次の記載があります。

女性型脱毛症に対するデュタステリドの臨床試験は実施されていない.

プロペシア錠の添付文書(2023年8月改訂・第4版)

  • 禁忌(2.2):妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性
  • 重要な基本的注意(8.1):「本剤を妊婦に投与すると、本剤の薬理作用(DHT低下作用)により、男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがある。」
  • 適用上の注意(14.1):

本剤を分割・粉砕しないこと。
本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性は取扱わないこと。

  • 効能又は効果に関連する注意(5.3):「女性に対する適応はない。」

ザガーロカプセルの添付文書(2025年8月改訂・第2版)

  • 禁忌(2.2):女性
  • 重要な基本的注意(8.1):

本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと。

  • 妊婦(9.5):「女性には投与しないこと。ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器の雌性化がみられ、本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆された。」

成分ごとの詳細はフィナステリドの副作用、プロペシア錠の副作用、デュタステリドの副作用にまとめています。

妊娠中・授乳中についての記載

リアップリジェンヌの添付文書の「してはいけないこと」の1に、次の記載があります。

対象 添付文書の記載
妊婦又は妊娠していると思われる人,並びに授乳中の人 使用しないでください。妊娠中の使用については,安全性が十分確認されていません。また,ミノキシジルは母乳中に移行します。
妊娠,出産に伴い脱毛している人 使用しないでください。壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高い。

女性型脱毛症についてのガイドラインの記載

ガイドライン(2017年版)は、女性では男性と異なり「頭頂部の比較的広い範囲の頭髪が薄くなるパターンとして観察される」とし、発症時期も男性とは異なり「更年期に多発するようになる」と記載しています。男性ホルモン依存性では病態が説明できない場合もあり、現在では男性型脱毛症より「女性型脱毛症(female pattern hair loss)」という病名を用いることが国際的にも多くなってきているため、このガイドラインでは病名として女性型脱毛症を用いるとしています。

診断については、次の記載があります。

男性型脱毛症の診断は比較的容易であるが,ゆっくりと頭髪が抜け,頭部全体が疎になる円形脱毛症の亜型,女性型脱毛症においては,慢性休止期脱毛,膠原病や慢性甲状腺炎などの全身性疾患に伴う脱毛,貧血,急激なダイエット,その他の消耗性疾患などに伴う脱毛,治療としてのホルモン補充療法や薬剤による脱毛などを除外することが大切である.

効果がわかるまでの期間の記載

製品 「その他の注意」の1 有効性についての記載
リアップリジェンヌ(女性用1%) 効果がわかるようになるまで少なくとも6ヵ月間,毎日使用してください。 本剤の有効性は6ヵ月間使用した場合に認められています。
リアップX5プラスネオ(男性用5%) 効果がわかるようになるまで少なくとも4ヵ月間,毎日使用してください。 本剤の有効性は4ヵ月使用後から認められています。

リアップリジェンヌの添付文書は、次の2点を記載しています。

  • 6ヵ月間使用して、次のいずれにおいても改善が認められない場合(脱毛状態の程度、生毛・軟毛の発生、硬毛の発生、抜け毛の程度)は、使用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談する
  • 使用開始後6ヵ月以内であっても、脱毛状態の悪化や、頭頂部だけでなく側頭部や後頭部などの頭部全体の脱毛、頭髪以外の脱毛、斑状の脱毛、急激な脱毛などが見られた場合は、使用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談する

用法関連注意には、次の記載があります。

用法・用量の範囲より多量に使用しても,あるいは頻繁に使用しても効果はあがりません。定められた用法・用量を厳守してください。
(決められた以上に多く使用しても,効果の増加はほとんどなく,副作用の発現する可能性が高くなります。)

大正製薬のブランドサイトのリアップリジェンヌの項には、「この医薬品は、薬剤師から説明を受け、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。」という記載があります。

関連ページ

出典

  • リアップリジェンヌ 添付文書(PMDA 一般用医薬品):https://www.info.pmda.go.jp/ogo/J1101000290_08_01
  • リアップX5プラスネオ 添付文書(PMDA 一般用医薬品):https://www.info.pmda.go.jp/ogo/K2002000012_02_01
  • スカルプD メディカルミノキ5 プレミアム 添付文書(PMDA 一般用医薬品):https://www.info.pmda.go.jp/ogo/J2201000118_01_01
  • プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg 添付文書(2023年8月改訂・第4版):https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/181615_249900XF1021_3_03
  • ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 添付文書(2025年8月改訂・第2版):https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/249900AM1023_1_07/
  • 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)CQ1・CQ2・CQ3:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
  • リアップ ブランドサイト(大正製薬):https://brand.taisho.co.jp/riup/
  • リアップリジェンヌ ブランドサイト(大正製薬):https://brand.taisho.co.jp/regenne/riupregenne/
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