プロペシア錠の添付文書の「用法及び用量」は、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与し、必要に応じて適宜増量できるが1日1mgを上限とする、という内容です。
「用法及び用量に関連する注意」には「増量による効果の増強は、確認されていない」と記載されています。
このページは、プロペシア錠の添付文書に書かれている内容を項目ごとに並べたものです(2026年10月21日確認)。
この記事は情報の整理であり、医師の診断や指導に代わるものではありません。服用中の症状については処方元の医師にご相談ください。
プロペシア錠の添付文書の基本情報
| 項目 | 記載 |
|---|---|
| 販売名 | プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg |
| 製造販売元 | オルガノン株式会社 |
| 添付文書 | 2023年8月改訂(第4版) |
| 規制区分 | 劇薬、処方箋医薬品(注意―医師等の処方箋により使用すること) |
| 効能又は効果 | 男性における男性型脱毛症の進行遅延 |
| 用法及び用量 | 男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限とする。 |
| 保険給付上の注意 | 本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。 |
用法及び用量に関連する注意
「7. 用法及び用量に関連する注意」は次のとおりです。
3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である。また、効果を持続させるためには継続的に服用すること。なお、増量による効果の増強は、確認されていない。
本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止すること。また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。
国内第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検比較試験の記載
「17.1.1」の記載です。対象は24歳から50歳の男性型脱毛症患者414例、48週間のプラセボ対照二重盲検比較試験です。
| 0.2mg群 | 1mg群 | プラセボ群 | |
|---|---|---|---|
| 48週で改善と判定 | 54.2%(71/131例) | 58.3%(77/132例) | 5.9%(8/135例) |
| 副作用(臨床検査値異常変動を含む)の発現割合 | 1.5%(2/137例) | 6.5%(9/139例) | 2.2%(3/138例) |
| 性機能に関する副作用 | 1.5%(2/137例) | 2.9%(4/139例) | 2.2%(3/138例) |
添付文書は、本剤投与群(0.2mg及び1mg)に認められた主な症状として、リビドー減退1.1%(3/276例)、勃起機能不全0.7%(2/276例)を挙げています。また、頭頂部毛髪の変化の写真による7段階評価で、本剤投与群(0.2mg/日及び1mg/日)はプラセボ群と比較して統計的に有意な改善を示したが、実薬群間では統計的な有意差は認められなかったと記載しています。
「17.1.2 国内長期投与試験」には、上記試験の終了後に移行可能であった374例全例に1mgを投与した48週間(通算96週)の試験で副作用(臨床検査値異常変動を含む)の発現割合が1.1%(4/374例)、前相を含め96週間にわたり1mgが投与された症例の長期投与試験期間中の発現割合が1.6%(2/124例)と記載されています。
副作用の表
「11.2 その他の副作用」の頻度区分は次のとおりです。
| 頻度 | 副作用 |
|---|---|
| 1〜5%未満 | リビドー減退(注1) |
| 1%未満 | 勃起機能不全(注1)、射精障害(注1)、精液量減少 |
| 頻度不明 | 過敏症:そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面腫脹を含む)/生殖器:睾丸痛、血精液症、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)(注2)/肝臓:AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇/その他:乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい |
- 注1:「市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある。」
- 注2:「本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある。」
「11.1 重大な副作用」には「肝機能障害(頻度不明)」が載っています。「9.3 肝機能障害患者」には、本剤は主に肝臓で代謝されること、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していないことが記載されています。
「重要な基本的注意」の自殺念慮の記載
「8.2」は次のとおりです。
本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されている。患者の状態を十分に観察するとともに、自殺念慮又は自殺企図があらわれた場合には本剤の服用を中止し、速やかに医師等に連絡するよう患者に指導すること。
「9.1.1」には、うつ病、うつ状態又はその既往歴、自殺念慮又は自殺企図の既往歴を有する患者について、同じ内容(因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されている)が記載されています。
禁忌と錠剤の取扱い
「2. 禁忌」は次の2つです。
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性
「8.1」には、患者に次の事項を説明することとして、次の記載があります。
- 本剤を妊婦に投与すると、本剤の薬理作用(DHT低下作用)により、男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがある。
- 本剤を分割・粉砕しないこと。
- 本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性は取扱わないこと。本剤はコーティングされているので、割れたり砕けたりしない限り、通常の取扱いにおいて有効成分に接触することはない。
「14.1 調剤及び服用時の注意」にも、分割・粉砕しないこと、粉砕・破損した場合に妊婦等が取扱わないことが記載されています。
「15.2 非臨床試験に基づく情報」には、アカゲザルの妊娠20日から100日までフィナステリド120 ng/kg/dayを毎日静脈内投与した場合でも雌雄胎児に異常所見は認められなかったこと、この投与量はフィナステリド1mgが投与された患者の1回の射精を介して女性が曝露される可能性のあるフィナステリド量の少なくとも750倍に相当することが記載されています。
「15. その他の注意」の記載
男性乳癌
市販後において、本剤を投与された患者で男性乳癌が報告されている。フィナステリド長期投与と男性乳癌の発現との因果関係は不明である。
添付文書は(参考)として、海外臨床試験の乳癌報告数を載せています。最初の試験の記載には「フィナステリド5 mg投与群(本剤承認用量の5~25倍用量)」とあります。
| 海外臨床試験 | 記載 |
|---|---|
| 前立腺肥大症患者3,047例(平均年齢63歳)・4〜6年間 | フィナステリド5mg投与群で4例の乳癌の報告があったが、非投与群ではみられなかった |
| 前立腺肥大症患者3,040例(平均年齢64歳)・4年間 | プラセボ投与群で2例の乳癌の報告があったが、フィナステリド5mg投与群ではみられなかった |
| 健康男性18,882例(平均年齢63歳)・7年間 | フィナステリド5mg投与群及びプラセボ投与群で各1例ずつ乳癌の報告があった |
Modified Gleason Score 8〜10の高悪性度前立腺癌
海外で実施された、18,882例(平均年齢:63歳)の健康男性を対象としたフィナステリド5 mg(本剤承認用量の5~25倍用量)又はプラセボを7年間投与する臨床試験において、Modified Gleason Score* 8~10の高悪性度前立腺癌の発現率が、プラセボ投与群(1.1%)と比較して、フィナステリド5 mg投与群(1.8%)で高かった(相対リスク1.70[95%信頼区間:1.23-2.34])との報告がある。
(注:*組織学的悪性度の指標)
「15.1.3」には、海外臨床試験において本剤投与により前立腺容積が減少したとの報告があると記載されています。
PSA値への影響
「12. 臨床検査結果に及ぼす影響」は次のとおりです。
国内で実施した24歳から50歳の男性型脱毛症患者において、血清前立腺特異抗原(PSA)の濃度が約40%低下した。海外臨床試験において、高年齢層の前立腺肥大症患者へのフィナステリド投与により血清PSA濃度が約50%低下した。したがって、本剤投与中の男性型脱毛症患者に対し前立腺癌診断の目的で血清PSA濃度を測定する場合は、2倍した値を目安として評価すること。
日本皮膚科学会のガイドライン2017年版は、355名を対象とした観察期間48週間のランダム化比較試験(フィナステリド1mg/日)で血清PSA濃度が約50%低下したとし、前立腺癌診断の目的で測定する場合は2倍した値を目安として評価すべきとしています。
服用方法についての記載
- 「14.2.2」:本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。
- 「14.2.1」:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
この記事の範囲
この記事の数字は、プロペシア錠の添付文書の記載です。
成分としてのフィナステリドはフィナステリドの副作用に、入手方法ごとの制度上の違いはAGA治療薬の入手方法に整理しています。
出典
- プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg 添付文書(2023年8月改訂・第4版、オルガノン株式会社。PMDA)
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)