ザガーロカプセルの添付文書(2025年8月改訂・第2版)の「用法及び用量」は、デュタステリドとして0.1mgを1日1回経口投与し、必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与する、という内容です。
「17. 臨床成績」には副作用発現頻度が2つ載っています。国際共同第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検比較試験(24週)で17.1%(95/557例)、国内第Ⅲ相試験(長期投与試験・52週)で16.7%(20/120例)です。勃起不全はそれぞれ4.3%と10.8%と記載されています。
このページは、ザガーロカプセルの添付文書に書かれている内容を項目ごとに並べたものです(2026年10月21日確認)。
この記事は情報の整理であり、医師の診断や指導に代わるものではありません。服用中の症状については処方元の医師にご相談ください。
用法及び用量
「6. 用法及び用量」は次のとおりです。
男性成人には、通常、デュタステリドとして0.1mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与する。
製品の記載は次のとおりです。
| ザガーロカプセル0.1mg | ザガーロカプセル0.5mg | |
|---|---|---|
| 有効成分 | デュタステリド 0.1mg | デュタステリド 0.5mg |
| 剤形・性状 | 淡橙色不透明の軟カプセル剤 | 淡紅色不透明の軟カプセル剤 |
| 識別コード | GS TFH | GS MUF |
| 承認番号 | 22700AMX01012 | 22700AMX01013 |
| 貯法・有効期間 | 室温保存・3年 | 室温保存・4年 |
規制区分は、どちらも劇薬、処方箋医薬品(注意―医師等の処方箋により使用すること)です。販売開始年月は、どちらも2016年6月です。効能又は効果は「男性における男性型脱毛症」で、「5. 効能又は効果に関連する注意」に「20歳未満での安全性及び有効性は確立されていない」と記載されています。
効果の評価期間
「7. 用法及び用量に関連する注意」は次のとおりです。
7.1 投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。
7.2 本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の改善がみられない場合には投薬を中止すること。また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。
副作用の表
「11.2 その他の副作用」の頻度区分は次のとおりです。
| 頻度 | 副作用 |
|---|---|
| 1%以上 | 性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)(注) |
| 1%未満 | 過敏症:発疹/精神神経系:頭痛、抑うつ気分/生殖系及び乳房障害:乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)/消化器:腹部不快感 |
| 頻度不明 | 過敏症:蕁麻疹、アレルギー反応、瘙痒症、限局性浮腫、血管性浮腫/精神神経系:浮動性めまい、味覚異常/生殖系及び乳房障害:精巣痛、精巣腫脹/皮膚:脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症/消化器:腹痛、下痢/その他:倦怠感、血中CK増加 |
注)「投与中止後も持続したとの報告がある。」
「11.1 重大な副作用」は次のとおりです。
| 副作用 | 頻度 |
|---|---|
| 肝機能障害 | 頻度不明 |
| 黄疸 | 頻度不明 |
AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
添付文書の臨床試験の副作用発現頻度
「17.1 有効性及び安全性に関する試験」に載っている2つの試験の記載です。
| 試験 | 対象 | 用量 | 期間 | 副作用発現頻度 | 主な副作用 |
|---|---|---|---|---|---|
| 17.1.1 国際共同第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検比較試験 | 20歳から50歳の男性型脱毛症患者917例(日本人200例を含む) | 本剤0.02mg、0.1mg、0.5mg(プラセボ及びフィナステリド1mgと比較) | 24週 | 17.1%(95/557例)(0.02mg群を含む) | 勃起不全4.3%(24/557例)、リビドー減退3.9%(22/557例)、精液量減少1.3%(7/557例) |
| 17.1.2 国内第Ⅲ相試験(長期投与試験) | 20歳から50歳の男性型脱毛症患者120例 | 本剤0.5mg | 52週 | 16.7%(20/120例) | 勃起不全10.8%(13/120例)、リビドー減退8.3%(10/120例)、射精障害4.2%(5/120例) |
17.1.1の注には「本剤の承認用量は1日1回0.1又は0.5mgである」と記載されています。
17.1.1では、頭頂部円内(直径2.54cm円中)の毛髪数のベースラインからの変化において、本剤0.1mg及び0.5mgのプラセボに対する優越性及びフィナステリド1mgに対する非劣性が検証されたと記載されています。17.1.2では、52週時の頭頂部円内の毛髪数のベースラインからの変化量は68.1本で改善が示されたと記載されています。
ガイドラインの記載
日本皮膚科学会のガイドライン2017年版は、国内で実施されたデュタステリド0.5mg/日の120名・52週間の非ランダム化試験について、リビドー減少8.3%、インポテンツ11.7%、射精障害5.0%と記載しています。添付文書17.1.2(120例・52週)の記載は、勃起不全10.8%、リビドー減退8.3%、射精障害4.2%です。
相互作用
「10. 相互作用」の記載は次のとおりです。
本剤は、主としてCYP3A4で代謝される。
| 区分 | 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|---|
| 10.2 併用注意 | CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビル等) | これらの薬剤との併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | CYP3A4による本剤の代謝が阻害される。 |
禁忌・女性や小児・肝機能障害
「2. 禁忌」は次の4つです。
- 本剤の成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対し過敏症の既往歴のある患者
- 女性
- 小児等
- 重度の肝機能障害のある患者
各項の記載は次のとおりです。
| 項 | 記載 |
|---|---|
| 8.1 重要な基本的注意 | 本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと。 |
| 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者 | 投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。 |
| 9.5 妊婦 | 女性には投与しないこと。ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器の雌性化がみられ、本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆された。 |
| 9.6 授乳婦 | 女性には投与しないこと。本剤が乳汁中に移行するかは不明である。 |
| 9.7 小児等 | 小児等には投与しないこと。小児等に対する適応はなく、小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。 |
カプセルの取扱い
「14. 適用上の注意」の記載は次のとおりです。
- 14.1.2:カプセルの内容物が口腔咽頭粘膜を刺激する場合があるので、カプセルは噛んだり開けたりせずに服用させること。
- 14.1.1:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
「20. 取扱い上の注意」には、光及び湿気を避けるため、PTP包装のまま保存することと記載されています。
PSAに関する記載
「8.2」は、本剤は血清前立腺特異抗原(PSA)に影響を与えるとし、次の点を記載しています。
- デュタステリドは、前立腺肥大症患者に0.5mg/日投与した場合、前立腺癌の存在下であっても、投与6ヵ月後にPSA値を約50%減少させる。
- 本剤を6ヵ月以上投与している患者のPSA値を評価する際には、測定値を2倍した値を目安として基準値と比較する。
- PSA値は、本剤投与中止後6ヵ月以内に本剤投与開始前の値に戻る。
- 男性型脱毛症患者においても、臨床試験の結果から、本剤投与によりPSA値が減少すると推測される。
詳しくはデュタステリドの副作用にも記載しています。
他の記載
フィナステリド(プロペシア錠)の添付文書の記載はフィナステリドの副作用に、入手方法ごとの制度上の違いはAGA治療薬の入手方法に整理しています。
出典
- ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg 添付文書(2025年8月改訂・第2版、グラクソ・スミスクライン株式会社。PMDA)
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)