プロペシア錠の添付文書(2023年8月改訂・第4版)の項目番号には、「10. 相互作用」がありません。
併用に関する記載は、「16. 薬物動態」の「16.7 薬物相互作用」に2件載っています。ザガーロカプセルの添付文書には「10. 相互作用」があり、「10.2 併用注意」にCYP3A4阻害作用を有する薬剤が載っています。
このページは、添付文書のどの項目に併用の記載があるかを、原文の位置ごとに並べたものです(2026年10月21日確認)。
この記事は情報の整理であり、医師や薬剤師の判断に代わるものではありません。併用については処方元にご相談ください。
プロペシア錠とザガーロカプセルの添付文書の項目番号
2つの添付文書の項目番号を比べると、次のとおりです。
| 番号 | 項目 | プロペシア錠 | ザガーロカプセル |
|---|---|---|---|
| 2 | 禁忌 | 載っている | 載っている |
| 8 | 重要な基本的注意 | 載っている | 載っている |
| 9 | 特定の背景を有する患者に関する注意 | 載っている | 載っている |
| 10 | 相互作用 | 載っていない | 載っている(10.2 併用注意) |
| 11 | 副作用 | 載っている | 載っている |
| 16 | 薬物動態 | 載っている(16.7 薬物相互作用) | 載っている(16.7 薬物相互作用) |
取得したプロペシア錠の添付文書の本文には、「10. 相互作用」の項はありません。ザガーロカプセルの添付文書の「10. 相互作用」は次のとおりです。
本剤は、主としてCYP3A4で代謝される。
| 区分 | 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|---|
| 10.2 併用注意 | CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビル等) | これらの薬剤との併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | CYP3A4による本剤の代謝が阻害される。 |
ザガーロ側の記載はザガーロの副作用に並べています。
プロペシア錠の「16.7 薬物相互作用」
16.7.1 オメプラゾールとの併用
健康成人(CYP2C19のExtensive Metabolizer)にフィナステリド1mgを1日1回3日間反復経口投与し、投与3日目は同時にオメプラゾール20mgを単回経口投与した際、オメプラゾールの血漿中薬物動態における薬物相互作用は認められなかった。
16.7.2 他剤との併用
フィナステリド5mg注3)あるいは10mg注3)とアンチピリン、プロプラノロール、ジゴキシン、グリベンクラミド、ワルファリン並びにテオフィリンとの併用時に、各併用薬の血漿中薬物動態における薬物相互作用は認められなかった(外国人データ)。
注3)は、「本剤の承認用法及び用量は、男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限とする。」という添付文書の注記です。
「16.4 代謝」の記載
- 16.4.1:ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験により、主要代謝物は側鎖の酸化により生成するω-水酸化体及びω-カルボン酸体であり、その酸化にはチトクロームP450(CYP)分子種のCYP3A4が関与することが示された。CYP2C19は代謝に関与していなかった。
- 16.4.2:ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験により、フィナステリドはCYP1A2、2A6、2C9、2D6及び3A4を阻害しなかったが、CYP2C19に対するIC50値は0.97μM(フィナステリド1mg経口投与時のCmaxの30倍以上)であった。
飲酒・サプリメント・市販薬に関する記載
プロペシア錠の添付文書の本文には、「飲酒」「アルコール」「サプリ」「健康食品」「風邪薬」の語はありません。
「14.2.2」には「本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。」と記載されています。
ガイドラインの外用薬との併用試験
ガイドライン2017年版には、2%ケトコナゾール(KCZ)シャンプーとフィナステリド内服(1mg/日)を併用した10名の男性被験者を対象とした観察期間12カ月の非ランダム化比較試験の記載があります。3人の皮膚科医師の診察による毛髪の成長もしくは脱毛程度を5段階で評価し、フィナステリド内服(1mg/日)のみの群と、2%KCZシャンプーとフィナステリド内服(1mg/日)の併用群で有意差はなかったと記載されています。
添付文書のその他の記載
- PSA:「12. 臨床検査結果に及ぼす影響」に、国内の24歳から50歳の男性型脱毛症患者で血清PSA濃度が約40%低下し、海外臨床試験の高年齢層の前立腺肥大症患者では約50%低下したこと、前立腺癌診断の目的で測定する場合は2倍した値を目安として評価することが記載されている
- 既往歴:「9.1.1」に、うつ病、うつ状態又はその既往歴、自殺念慮又は自殺企図の既往歴を有する患者について、本剤との因果関係は明らかではないが自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されていると記載されている
- 禁忌:「2.2」妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性。「8.1」に、本剤を分割・粉砕しないこと、粉砕・破損した場合にこれらの女性は取扱わないことが記載されている
成分としての副作用はフィナステリドの副作用に、プロペシア錠に絞った記載はプロペシア錠の副作用にまとめています。入手方法ごとの制度上の違いはAGA治療薬の入手方法に整理しています。
出典
- プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg 添付文書(2023年8月改訂・第4版、オルガノン株式会社。PMDA)
- ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg 添付文書(2025年8月改訂・第2版、グラクソ・スミスクライン株式会社。PMDA)
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)