ミノキシジルの副作用|外用の添付文書と内服のガイドラインの記載

このページは、ミノキシジルの副作用について、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」とリアップX5プラスネオの添付文書(PMDA掲載)の記載を、外用と内服に分けて並べたものです(2026年10月21日確認)。

この記事は情報の整理であり、医師の診断や指導に代わるものではありません。症状があれば処方元の医師にご相談ください。

ガイドラインの推奨度

ガイドラインは推奨度を次のように分類しています。

  • A:行うよう強く勧める
  • D:行うべきではない
外用 内服
ガイドラインの項目 CQ3 CQ14
推奨度 A D
ガイドラインの記載 男性型脱毛症に対する14件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビュー、女性型脱毛症に対する10件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビューが実施されている ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない

外用ミノキシジルの有害事象(ガイドライン)

ガイドラインのCQ3には、次の記載があります。

ミノキシジルの有害事象として、男女を通して瘙痒、紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などが報告されている

皮膚症状の出現率(男性393名・48週までのランダム化比較試験)

ガイドラインは、2%および5%ミノキシジル液を比較した、393名の男性被験者を対象とした観察期間48週までのランダム化比較試験について、次の数字を記載しています。

群 瘙痒、接触皮膚炎といった皮膚症状の出現率
5%ミノキシジル群 6%
2%ミノキシジル群 2%
プラセボ群 3%

ガイドラインは、5%ミノキシジル群が2%ミノキシジル群、プラセボ群より高かったとしています。

外用ミノキシジルの副作用(リアップX5プラスネオの添付文書)

リアップX5プラスネオの添付文書(リスク区分:第1類医薬品)の「相談すること」には、次の記載があります。

使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談してください。

関係部位 症状
皮膚 頭皮の発疹・発赤*、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感等
精神神経系 頭痛、気が遠くなる、めまい
循環器 胸の痛み、心拍が速くなる
代謝系 原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみ

*:頭皮以外にあらわれることもあります。

「してはいけないこと」の記載

リアップX5プラスネオの添付文書の「してはいけないこと」には、次の記載があります。

  • 次の人は使用しないでください:本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人/女性/未成年者(20歳未満)/壮年性脱毛症以外の脱毛症(例えば、円形脱毛症、甲状腺疾患による脱毛等)の人、あるいは原因のわからない脱毛症の人/脱毛が急激であったり、髪が斑状に抜けている人
  • 次の部位には使用しないでください:「本剤は頭皮にのみ使用し、内服しないでください。」(理由として「血圧が下がる等のおそれがあります。」と記載)、きず、湿疹あるいは炎症(発赤)等がある頭皮
  • 他の育毛剤及び外用剤(軟膏、液剤等)の頭皮への使用は、さけてください(理由として「これらの薬剤は本剤の吸収に影響を及ぼす可能性があります。」と記載)

「使用前に相談すること」の記載

同じ添付文書の「使用前に医師又は薬剤師に相談すること」の対象は、次の人です。

  • 今までに薬や化粧品などによりアレルギー症状(例えば、発疹・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人
  • 高血圧の人、低血圧の人
  • 心臓又は腎臓に障害のある人
  • むくみのある人
  • 家族、兄弟姉妹に壮年性脱毛症の人がいない人
  • 高齢者(65歳以上)
  • 甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症)の診断を受けている人

初期の脱毛についての記載

  • ガイドラインのCQ3は、「男女ともにミノキシジル外用初期に休止期脱毛がみられることがあり、これが外用中止につながる恐れがあるため、患者への説明が必要である」と記載しています。
  • リアップX5プラスネオ、リアップリジェンヌ、スカルプD メディカルミノキ5 プレミアムの添付文書には、「初期脱毛」「休止期」の語はありません。
  • 大正製薬のリアップブランドサイトには、「ミノキシジル外用剤の使用開始後2~8週間にかけて、一時的な抜け毛の増加がみられる」との報告がある旨の記載があります。

リアップX5プラスネオの添付文書は、使用開始後6ヵ月以内であっても、脱毛状態の悪化や「頭髪以外の脱毛、斑状の脱毛、急激な脱毛など」が見られた場合は、使用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談するよう記載しています。詳しくはミノキシジルの初期脱毛に整理しています。

女性型脱毛症についてのガイドラインの記載

ガイドラインは、1%、2%、5%ミノキシジルを用いた8件のランダム化比較試験を解析した、1,242名の女性被験者を対象とした観察期間24〜32週のシステマティック・レビューを記載しています。有害事象については、4件・計725名のランダム化比較試験を解析した結果として、次の相対危険度が記載されています。

群 相対危険度(95%信頼区間)
1%ミノキシジル群 1.12(0.61〜2.06)
2%ミノキシジル群 1.24(0.82〜1.87)
5%ミノキシジル群 2.05(0.96〜4.37)

ガイドラインは、2%ミノキシジルと5%ミノキシジルを用いた3件のランダム化比較試験を解析した631名のシステマティック・レビューと、有害事象についての4件・計1,006名のランダム化比較試験の解析(相対危険度1.02、95%信頼区間0.91〜1.20)の記載の後に、「以上の毛髪数の増加、および有害事象の解析のエビデンスの質は低く、さらなる検討が必要である」と記載しています。

女性用製品の記載はミノキシジルは女性が使える?に整理しています。

内服ミノキシジルについてのガイドラインの記載

ガイドラインのCQ14(推奨度D)には、次の記載があります。

ミノキシジルは降圧剤として開発されたが本邦では認可されていない。また、男性型脱毛症に対する治療薬としても認可されている国はない。それにもかかわらず、全身の多毛症を起こす副作用があることを根拠に、医師が安易に処方したり、一般人が個人輸入で入手し服用することがあるので、医薬品医療機器等法の観点から問題視されている。

多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は少なく、内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄に、胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、呼吸困難、うっ血性心不全、むくみや体重増加などの重大な心血管系障害が生じるとの記載がある。

以上のように、ミノキシジルの内服療法は、利益と危険性が十分に検証されていないため、男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められる。

詳しくはミノタブの副作用に整理しています。

個人輸入された医薬品についての記載

厚生労働省は、個人輸入について次のように記載しています。

個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象となりません。

PMDAは医薬品副作用被害救済制度を、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度としています。

入手方法ごとの記載はAGA治療薬の入手方法に整理しています。

この成分についての他のページ

出典

  • 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)CQ3・CQ14
  • リアップX5プラスネオ 添付文書(PMDA 一般用医薬品・要指導医薬品 添付文書等情報)
  • リアップ ブランドサイト(大正製薬)
  • 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ(厚生労働省)
  • 制度の概要 医薬品副作用被害救済制度(PMDA)
タイトルとURLをコピーしました