日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)のCQ3「ミノキシジル外用は有用か?」の推奨度はAで、推奨文は「ミノキシジル外用を行うよう強く勧める(男性型脱毛症:5%ミノキシジル,女性型脱毛症:1%ミノキシジル).」です。
このページでは、ガイドラインが引用している臨床試験の数値と、添付文書に書かれている効果がわかるまでの期間を、出典ごとに並べます(2026年10月21日確認)。
この記事は情報の整理であり、医師の診断や治療方針の助言ではありません。
ガイドラインの数値の指標
ガイドラインは、ミノキシジル外用の試験結果を、脱毛部1cm²内の非軟毛数、脱毛部の総毛髪数、脱毛部1cm²内の毛髪数の、ベースラインからの増加などで記載しています。
ガイドラインは男性型脱毛症を、毛周期を繰り返す過程で成長期が短くなり、休止期にとどまる毛包が多くなることを病態の基盤とし、臨床的には前頭部や頭頂部の頭髪が軟毛化して細く短くなり、最終的には頭髪が皮表に現れなくなる現象と記載しています。
リアップX5プラスネオの添付文書は、6ヵ月使用した場合に確認する項目として次を挙げています。
脱毛状態の程度,生毛・軟毛の発生,硬毛の発生,抜け毛の程度(太い毛だけでなく細く短い抜け毛の減少も改善の目安となります)。
男性型脱毛症での数値
ガイドラインは、男性型脱毛症に対するミノキシジルの有用性について、14件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビューが実施されていると記載しています。主な試験は次のとおりです。
| 試験 | 対象・期間 | 結果 |
|---|---|---|
| 2%ミノキシジル液を用いた5件のランダム化比較試験を解析したシステマティック・レビュー | 男性924名・24週 | 2%群はプラセボ群に比べ、脱毛部の総毛髪数がベースラインより平均20.90本(95%信頼区間 9.07〜32.74)有意に増加 |
| 2%と5%のミノキシジル液を比較したランダム化比較試験 | 男性393名・48週まで | 脱毛部1cm²内の非軟毛数のベースラインからの増加が、プラセボ群平均3.9本、2%群平均12.7本、5%群平均18.6本。5%群で他の2群に比し有意に増加(対プラセボ p<0.001、対2% p=0.025) |
| フォーム(泡)型5%ミノキシジルのランダム化比較試験(症例数が最も多いもの) | 男性352名・16週まで | 脱毛部1cm²内の毛髪数の増加が、プラセボ群平均4.7本に対し、フォーム型5%は平均20.9本(p<0.0001) |
| 国内の1%と5%のミノキシジル液のランダム化比較試験 | 男性300名・24週まで | 脱毛部1cm²内の非軟毛数の増加が、1%群平均21.2本、5%群平均26.4本。5%群で有意(p=0.02)に増加 |
ガイドラインは、2%と5%を比較した393名の試験で、瘙痒、接触皮膚炎といった皮膚症状の出現率は5%ミノキシジル群で6%、2%ミノキシジル群で2%、プラセボ群で3%と記載しています。
フォーム(泡)型については、ガイドラインは「国外ではフォーム(泡)型のミノキシジルも使用されている」と記載しています。
女性型脱毛症での数値
ガイドラインは、女性型脱毛症に対する10件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビューが実施されていると記載しています。
| 試験 | 対象・期間 | 結果 |
|---|---|---|
| 1%、2%、5%のミノキシジルを用いた8件のランダム化比較試験を解析したシステマティック・レビュー | 女性1,242名・24〜32週 | ミノキシジル群はプラセボ群に比べ、脱毛部1cm²内の毛髪数が平均13.18本(95%信頼区間 10.92〜15.44)増加 |
| 2%と5%のミノキシジルを用いた3件のランダム化比較試験を解析したシステマティック・レビュー | 女性631名・26〜52週 | 2%群は5%群に比べ脱毛部1cm²内の総毛髪数が平均2.12本少なかったが、両者の間に有意差はなかった |
| 国内の1%ミノキシジル液のランダム化比較試験 | 女性280名・24週まで | 脱毛部1cm²内の非軟毛数の増加が、プラセボ群平均2.03本、1%群平均8.15本。1%群はプラセボ群に対して有意な(p<0.001)発毛促進効果 |
ガイドラインは、毛髪数の増加および有害事象の解析のエビデンスの質は低く、さらなる検討が必要であると記載しています。
女性についての添付文書の記載はミノキシジルは女性が使える?外用1%と5%・添付文書の記載にまとめています。
効果がわかるまでの期間
添付文書の「その他の注意」の1は、製品ごとに次のように記載しています。
| 製品 | 効果がわかるまで | 有効性についての記載 |
|---|---|---|
| リアップX5プラスネオ(男性用5%) | 少なくとも4ヵ月間,毎日使用 | 本剤の有効性は4ヵ月使用後から認められています。 |
| リアップリジェンヌ(女性用1%) | 少なくとも6ヵ月間,毎日使用 | 本剤の有効性は6ヵ月間使用した場合に認められています。 |
どちらの添付文書にも、6ヵ月間使用して脱毛状態の程度、生毛・軟毛の発生、硬毛の発生、抜け毛の程度のいずれにおいても改善が認められない場合は、使用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談するという記載があります。
用量についての記載
リアップX5プラスネオの添付文書の用法関連注意の1は、次のとおりです。
用法・用量の範囲より多量に使用しても,あるいは頻繁に使用しても効果はあがりません。定められた用法・用量を厳守してください。(決められた以上に多く使用しても,効果の増加はほとんどなく,副作用の発現する可能性が高くなります)
用法・用量には「1回1mLのご使用は,脱毛範囲の大小に関係なくお守りください。1mLは塗り広げれば,頭皮全体に十分に行きわたる量として設計してあります。」と記載されています。
使用をやめたときについての記載
リアップX5プラスネオの添付文書の「その他の注意」の2と3は、次のとおりです。
毛髪が成長する程度には個人差があり,本剤は誰にでも効果があるわけではありません。
効果を維持するには継続して使用することが必要で,使用を中止すると徐々に元に戻ります。
本剤は壮年性脱毛症の原因を取り除くものではありません。
内服についての記載
ガイドラインのCQ14「ミノキシジルの内服は有用か?」の推奨度はDで、推薦文は「ミノキシジルの内服を行うべきではない.」です。解説には次の記載があります。
ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない.
副作用の全体像はミノキシジルの副作用にまとめています。
関連ページ
- 製品ごとの記載:ミノキシジルの塗り薬|市販製品の添付文書の記載(濃度・成分・用法)
- 入手方法による違い:AGA治療薬の入手方法
- 費用:AGA治療の費用
出典
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)CQ3・CQ14:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
- リアップX5プラスネオ 添付文書(PMDA 一般用医薬品):https://www.info.pmda.go.jp/ogo/K2002000012_02_01
- リアップリジェンヌ 添付文書(PMDA 一般用医薬品):https://www.info.pmda.go.jp/ogo/J1101000290_08_01