デュタステリドの副作用|ザガーロ添付文書の頻度

ザガーロカプセル(成分名デュタステリド)の添付文書の「11.2 その他の副作用」で「1%以上」の区分に載っているのは、性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)です。

日本皮膚科学会のガイドライン(2017年版)には、試験ごとの数値として、インポテンツが1%(韓国の市販後調査)から11.7%(国内の非ランダム化試験)まで載っています。

このページは、ザガーロカプセルの添付文書とガイドラインに書かれている内容を出典ごとに分けて並べたものです(2026年10月21日確認)。

この記事は情報の整理であり、医師の診断や指導に代わるものではありません。服用中の症状については処方元の医師にご相談ください。

添付文書の基本情報とガイドラインの推奨度

ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg(グラクソ・スミスクライン株式会社)の添付文書の一般的名称はデュタステリド、「4. 効能又は効果」は次のとおりです。

男性における男性型脱毛症

「18.1 作用機序」には、「デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する1型及び2型5α還元酵素を阻害する」と記載されています。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」のデュタステリド内服の推奨度は次のとおりです。

対象 推奨度 推奨文
男性型脱毛症 A 行うよう強く勧める
女性型脱毛症 D 行うべきではない

ザガーロカプセルの添付文書の副作用の表

「11.2 その他の副作用」の頻度区分は次のとおりです。

頻度 副作用
1%以上 性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)(注)
1%未満 過敏症:発疹/精神神経系:頭痛、抑うつ気分/生殖系及び乳房障害:乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)/消化器:腹部不快感
頻度不明 過敏症:蕁麻疹、アレルギー反応、瘙痒症、限局性浮腫、血管性浮腫/精神神経系:浮動性めまい、味覚異常/生殖系及び乳房障害:精巣痛、精巣腫脹/皮膚:脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症/消化器:腹痛、下痢/その他:倦怠感、血中CK増加

注)「投与中止後も持続したとの報告がある。」

「11.1 重大な副作用」は、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)で、「AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある」と記載されています。

ガイドラインに載っている性機能の数値

ガイドライン2017年版の記載です。

試験 対象・期間 リビドー減少 インポテンツ 射精障害
国際臨床試験(本邦を含む) 917名・6か月 3.3% 5.4% 3.3%
韓国の市販後調査 712例・平均観察期間204.7日 1.3% 1% 0.1%
国内の非ランダム化試験 120例・52週間 8.3% 11.7% 5.0%

ガイドラインは、国内の非ランダム化試験の値を「比較的高率であった」と記載し、続けて「投与にあたっては添付文書の記載をよく読んだ上で,性機能障害を含めた副作用についても十分な説明と同意が必要である」と記載しています。

添付文書の「17.1 有効性及び安全性に関する試験」の記載はザガーロの副作用に並べています。

フィナステリドとの比較に関する記載

プロペシア錠の添付文書(18.1 作用機序) ザガーロカプセルの添付文書(18.1 作用機序)
5α還元酵素 5α-還元酵素Ⅱ型を選択的に抑制する 1型及び2型5α還元酵素を阻害する

ガイドラインは、国際臨床試験(917名・6か月)でデュタステリド0.5mg/日とフィナステリド1mg/日を比較し、全毛髪数と毛直径の増加についてはデュタステリドの方が優れた効果を示したが、直径60μm以上の硬毛数では両者間に有意な差がなかったとしています。3名のエキスパートパネルによる写真評価の点数差は頭頂部では0.14、前頭部では0.24で、ガイドラインは「両者の効果差については今後さらなる検討を要する」と記載しています。

フィナステリド(プロペシア錠)の添付文書の記載はフィナステリドの副作用に並べています。

PSA値への影響

ザガーロカプセルの添付文書「8.2」は、「本剤は、血清前立腺特異抗原(PSA)に影響を与えるので、前立腺癌等の検査に際しては、以下の点に注意すること。」とし、また「PSAの検査を受ける際には本剤の服用について検査を行う医師に知らせるよう、患者を指導すること」と記載しています。続く記載は次のとおりです。

  • PSA値は、前立腺癌のスクリーニングにおける重要な指標である。一般に、PSA値が基準値(通常、4.0ng/mL)以上の場合には、更なる評価が必要となり、前立腺生検の実施を考慮に入れる必要がある。
  • 本剤投与中の患者で、本剤投与前のPSA値が基準値未満であっても、前立腺癌の診断を除外しないように注意すること。
  • 本剤投与6ヵ月以降のPSA値を新たなベースラインとし、その後は適宜PSA値を測定してベースラインからの変動を評価すること。
  • デュタステリドは、前立腺肥大症患者に0.5mg/日投与した場合、前立腺癌の存在下であっても、投与6ヵ月後にPSA値を約50%減少させる。したがって、本剤を6ヵ月以上投与している患者のPSA値を評価する際には、測定値を2倍した値を目安として基準値と比較すること。
  • PSA値は、本剤投与中止後6ヵ月以内に本剤投与開始前の値に戻る。
  • 男性型脱毛症患者においても、臨床試験の結果から、本剤投与によりPSA値が減少すると推測される。
  • 本剤投与中において、free/total PSA比は一定に維持されるので、前立腺癌のスクリーニングの目的で% free PSAを使用する場合には、測定値の調整は不要である。

ガイドラインも、デュタステリドを投与中の男性型脱毛症患者で前立腺癌診断の目的で血清PSA濃度を測定する場合は、2倍した値を目安として評価すべきとしています。

前立腺に関する他の記載(15.1.3など)はデュタステリドと前立腺に分けて整理しています。

禁忌と女性・小児の項の記載

「2. 禁忌」は次の4つです。

  • 本剤の成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 女性
  • 小児等
  • 重度の肝機能障害のある患者

ザガーロカプセルの添付文書の「2. 禁忌」の項には、理由の記載はありません。関連する各項の記載は次のとおりです。

項 記載
8.1 重要な基本的注意 本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと。
9.5 妊婦 女性には投与しないこと。ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器の雌性化がみられ、本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆された。
9.6 授乳婦 女性には投与しないこと。本剤が乳汁中に移行するかは不明である。
9.7 小児等 小児等には投与しないこと。小児等に対する適応はなく、小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

ガイドラインは、フィナステリド同様、妊婦に投与するとDHTの低下により男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがあり、女性への投与は禁忌であると記載しています。

「14.1 薬剤交付時の注意」には、PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること、カプセルの内容物が口腔咽頭粘膜を刺激する場合があるのでカプセルは噛んだり開けたりせずに服用させることが記載されています。

献血

日本赤十字社(福岡県赤十字血液センター)の「服薬と献血について」には、次の記載があります。

薬 記載
AGA治療薬(デュタステリド、ザガーロ、アダボート等) 服薬中止後6カ月献血不可
AGA治療薬(フィナステリド、プロペシア、プロスカー等) 服薬中止後1カ月献血不可

日本赤十字社(福岡県赤十字血液センター)の「服薬と献血について」は、一覧の前に「下記に主なお薬を示していますが、献血にご協力いただけるか否かについては、当日の健診医が最終的に判断します。」と記載しています。

献血についての記載はAGA治療薬と献血|フィナステリド1カ月・デュタステリド6カ月の記載にもまとめています。

薬物動態の記載

ザガーロカプセルの添付文書「16.1.2 反復投与」の記載です。

項目 記載
半減期(t1/2) 前立腺肥大症患者にデュタステリド0.5mgを1日1回6ヵ月間反復経口投与した時、定常状態におけるt1/2は3.4±1.2週間
最終投与後の血清中薬物濃度(外国人データ) 0.1mgを24週間反復投与した時は最終投与後12週、0.5mgを24週間反復投与した時は最終投与後20週で、定量下限(0.1ng/mL)未満

「消失は非線形であり、血清中デュタステリド濃度が低い場合、高濃度域と比べて速やかに消失した」とも記載されています。

プロペシア錠の添付文書「16.1.1 単回投与」には、健康成人にフィナステリド0.2mg及び1mgを単回経口投与した時、「3及び4時間の半減期(t1/2)で消失した」と記載されています。

2つの成分の違いはフィナステリドとデュタステリドの違いにまとめています。

効果の評価期間とガイドラインの記載

ザガーロカプセルの添付文書「7. 用法及び用量に関連する注意」は次のとおりです。

7.1 投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。
7.2 本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の改善がみられない場合には投薬を中止すること。また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。

ガイドラインは、上記の臨床試験では1年を超える長期投与での効果や投与中止後の毛髪量変化については検討されていないと記載しています。

ミノキシジルとの併用についての記載はデュタステリドとミノキシジルの併用|ガイドラインと添付文書の記載にまとめています。

入手方法ごとの制度上の違いはAGA治療薬の入手方法に、処方箋医薬品としての扱いと個人輸入の記載はデュタステリドは通販で買える?|処方箋医薬品の扱いと個人輸入の記載に整理しています。

出典

  • ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg 添付文書(2025年8月改訂・第2版、グラクソ・スミスクライン株式会社。PMDA)
  • プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg 添付文書(2023年8月改訂・第4版、オルガノン株式会社。PMDA)
  • 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)
  • 服薬と献血について(日本赤十字社 福岡県赤十字血液センター)
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